
春先ならばタラの芽。盛夏ならば生ビール。苦さをうまいと思えるのは、大人の幸せだ。ではいまごろは。そう、サンマの季節がやってきた。切り身でなく、あくまでも尾頭付きでいただきたい▼
早春品香椿嫩芽,盛夏则豪饮冰镇啤酒。能细细咀嚼那份苦涩,正是成年人的幸福。那么当下的时令风物呢?没错,终于盼来了秋刀鱼的季节。而品尝秋刀鱼时亦有讲究,不能切片,须要尾头俱全,整条享用方得其真味。
熱々に焼けた身をほぐして、ワタも一緒にぱくりとほおばる。あの苦み。「刀は武士の命。サンマはハラワタが命。ワシはそう思っているのだッ」と漫画家の東海林さだおさんがエッセーで力説していた。しごく同感である▼
趁热剖开烤得喷香的鱼肉,连着内脏一同塞入口中。细细咂摸舌尖那抹苦味。漫画家东海林さだお曾在散文里慷慨陈词:“刀乃武士之命,秋刀鱼则以内脏为命。我是这样认为的!”我深表赞同。
長年にわたって家庭の食卓を調べている岩村暢子(のぶこ)さんによれば、近頃は魚料理が登場するのは、せいぜい週1回どまり。食材の旬への意識も薄れているそうだ。それでも「秋のサンマ」の人気は別格で、初ガツオも寒ブリも到底及ばないのだという▼
展开剩余80%长期追踪家庭饮食的岩村暢子女士指出,如今鱼料理出现在餐桌上的频率,一周能有一次已算上限。人们对食材时令的意识日渐淡薄。即便如此,“秋之秋刀鱼”的人气依旧格外特殊,远非“初鲣”“寒鰤”可比。
最近は不漁つづきで、高級魚のような扱いになっていた。〈品高(しなたか)し サンマがまんさ 仕方(しかた)なし〉。そんな嘆きの回文を見たこともある。ところが今年は、根室、銚子と港々から「こんなに大ぶりなのは珍しい」と朗報が届いている▼
只是近日渔获不佳,秋刀鱼几乎成了高档鱼。甚至见过这样的哀叹句子:“物价正高昂,秋刀价格涨,没钱如何吃得上。”然而今年从根室、銚子等港口却传来喜讯:“油脂丰到发亮,十年难遇的肥美。”。
きのう職場のご近所の東京・築地場外市場でも、でっぷり太ったサンマが氷水のなかに並んでいた。口先をちょこっと黄色に染めて、銀色の身を光らせている。新鮮で脂がのっている証しだ。早くたべておくれよと目が訴えていた▼
昨天在公司附近的东京筑地场外市场上,也能看到摊头一列肥硕得发亮的秋刀鱼浸在碎冰里。嘴尖染着一抹黄,银色鱼身闪着光,那正是新鲜与肥美的标志。仿佛在诉说:“快点吃掉我吧。”
水産研究・教育機構の「サンマ予報」によれば、10月以降には、いまより小ぶりな魚群と入れ替わってしまうそうだ。うまいサンマを肴(さかな)にちびり、とやるなら早めがお薦めだとか。さて、今晩どうしよう。
据水产研究教育机构的“秋刀鱼预测”显示,十月一过,如今这批大个头将被更小的鱼群替补换下。若要佐以美酒,细细品味肥美的秋刀鱼,最好还是趁早。择日不如撞日。
单词解析
1.力説「りきせつ」
强烈主张,极力强调。
【例句】彼は環境保護の必要性を力説した。
2.別格「べっかく」
特别的,格外的,与众不同。
【例句】このレストランのサービスは別格だ。
3.不漁「ふりょう」
渔获量少,渔获不佳。
【例句】今年はイワシが不漁で、値段が上がっている。
4.朗報「ろうほう」
好消息,喜讯。
【例句】留学試験に合格したという朗報が届いた。
5.脂がのっている「あぶらがのっている」
鱼或肉肥美油润指;状态正佳。
【例句】このサンマサーモンは脂がのっていて、とても美味しい。
【翻译心得】
原文:〈品高(しなたか)し サンマがまんさ 仕方(しかた)なし〉
译文:物价正高昂,秋刀价格涨,没钱如何吃得上。
分析:原文是一个俳句风的回文句,译文抓住“物价上涨、买不起”的核心意思,用通俗的中文表达,并且采用押韵的处理。
【背景知识】
不漁続くサンマ 大型増えるも 漁場に来る量は低水準続く見通し
不漁が続くサンマについて、ことしは去年より大型が増えるものの、漁場に来る量は、去年並みの低い水準にとどまるという見通しを国の研究機関が発表しました。
サンマの漁獲量は、3年前には2万トンを割り込み、去年はいくぶん回復したものの3万9000トン余りと、この20年間でピークだった2008年の10分の1近くに落ち込んでいます。
ことしのサンマについて、国の研究機関の「水産研究・教育機構」は29日、8月から12月までの間、日本の漁船が主に操業する海域での見通しを公表しました。
それによりますと、北海道から千葉県にかけての海域に来るサンマの量は、「去年並みの低い水準」にとどまる見通しです。
時期でみると、漁期の前半となる10月上旬までは去年を下回る一方、後半の10月上旬以降は上回るとしています。
また、調査を通じて、日本から遠い東側の海域で大きいサンマの割合が多かったことから、それらが日本の近くに回遊する漁期の後半は大型が増えると予想しています。
ただ、研究機関は、海水温の上昇などに伴って資源量が減っているおそれがあるうえ、主な漁場が北太平洋の公海で、日本の漁船は操業しにくいことから引き続き漁が振るわない可能性があるとしています。
水産研究・教育機構の冨士泰期 主任研究員は「漁期の特に前半はかなり厳しい状況からスタートするが、後半は去年よりもまとまった群れが来て、トータルとしては去年並みになるだろう。また、スーパーに並ぶサイズのサンマは、去年よりも20グラム程度大きくなると思う」と話しています。
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